古典落語「やかん」

あらすじ
「『知らない』という事を知らない」そんな先生に、いろんなモノの名前のいわれを聞くと、何でも教えてくれる。「土でできているから『土瓶』。鉄でできているから『鉄瓶』。じゃあやかんは、何で『やかん』なのか?」と、聞くと…


ひとこと
師匠、円丈に3番目に教わった噺です。もっとも見習いの時に教わったのは、僕は3席だけなのですが…

 

六代目三遊亭円生の型なので、やかんの言い立てのところは最近多い?講談調ではなく、普通の台詞でやっています。入ったばかりの頃は、寄席では主に「からぬけ」、それ以外では「やかん」でした。当時は(今も!)四苦八苦してやっていましたが、今なら楽しんでやれるかなあ…?個人的にはそんなハナシです。

教わった事で特に印象的なのは、いろんなモノを聞く時、「○○は何で○○って言うんですか?」と適当?に繰り返して言った時、(この時点でちゃんと覚えていなかったという事になりますが!)「バカ野郎!俺はそんな単調にやってねえ!ちゃんと『○○はどうです?』『××なんて言いますね』『△△ってのは?』」って変化つけてやってたろ!シロウトか!!ちゃんと覚えて来い!」と、直してもらった事です。まあその時は、ほぼシロウトなんですが「なるほど」と凄く反省しました!ありがたい限りです。

変なハナシになりますが、ヘタでいい加減だから、身に染みて分かる事もあるんですね。「○○は何で○○って言うんですか?」連呼してる人、割といます。この経験は、新作を作っていても、ネタをカブせていく時に単調になり過ぎないようにとか、逆にワザと並列っぽくするとかで、普通に活きています。

なので、僕はネタをパソコンで打って、切ったり貼ったりするやり方はあんまり好きではありません。なんか面白さにつながる『ブレ』が、なくなりそうな気がするので。あー、コレはやらない人にはどうでもいいハナシでした!『古典の稽古絶対重要!!』、を思い出せる噺です。