新作落語「ゆいごんを…」

あらすじ
修行で師匠の家に通う日々の、落語家の前座。病院の窓からそれを見ていた少年が彼に声をかけ、二人は知り合いになる。

 

少年を見かけなくなって、数日たったある日。母親と名乗る女性から、「実は息子は今、集中治療室にいる。『退院した時にお兄さんとしたい事』、としてノートに書いてあったモノを、願掛けの『ゆいごんがわり』としてかなえてやって欲しい」とせがまれ、彼は頼みを引き受けるが…



ひとこと
テーマは『言う事きかなきゃいけない事でも、なんでもかんでもだと大変?』、かなあ。

 

これは自分が本当に前座だった頃に作ったもので、「タテ社会だから、何でも言うこときかなくてはいけないって言うけど、無理は無理だよなあ」と思ったから、作ったんだと思います。

その中で、一般的に断りづらいモノは「ゆいごん」なのでそれにしたんでしょうね。実際は死んでないので、本当のタイトル?は『ゆいごんがわりを…』です。漢字にすると、さらにぶっそうなイメージになるので、あえてひらがなにしています。

さっきから、なんか憶測っぽいのは、自分でもよく覚えてないからです!
実際にはそんなにムチャを言う人もいませんし、今やムチャくらいの方が面白く感じますから。単純に『修行モノ』?が作りたかったのかもしれません。

ネタも前座、二ツ目、真打。二十代、三十代、四十台…と、その時期、立場でしか作れないモノもあると思いますので、「前座のウチから作っていてよかった!」と思える貴重な一席です。

 

今の自分にはこういうネタは作れないと思います、たぶん。

噺の最後は『プチ人情噺』!?になっています。そういう流れの噺を、初めて作ったのもコレだったりしますので、思い入れは強いです。

 

…あと、いろんな『仕込み』を使うネタです!タイトルの印象とは違ってかなりくだらないのでご注意を~。